建設業者が知っておくべき「付帯工事」の基本を解説

建設業を営む皆さま、日々の業務で「付帯工事」という言葉を耳にすることがあるかと思います。これは、メインとなる工事(本体工事)に付随して発生する工事のことで、建設業許可制度において重要なポイントとなります。
この記事では、付帯工事の定義や具体例、そして施工する際の注意点について、わかりやすく解説します。
「付帯工事」とは?
「付帯工事」とは、許可を受けた建設業の本体工事に付随して発生する工事のことを指します。
例えば、電気工事業の許可を持っている業者が、ビルの電気配線改修工事を請け負ったとします。このとき、配線の工事に伴って壁や天井に加工する必要が出てきたり、工事後に壁紙を張り替えたりする作業が必要になることがあります。
この場合の電気配線改修工事が「本体工事」となり、壁紙の張り替えなどの内装仕上げ工事が「付帯工事」にあたります。
付帯工事は、本体工事と一体のものとして請け負うことが可能です。
付帯工事を請け負う際の注意点
付帯工事を請け負う際に、特に注意が必要なのが請負代金の額です。
付帯工事の請負代金の額が500万円以上(消費税を含む)となる場合、その工事を自社で施工するには、特定の条件を満たす必要があります。
500万円以上の付帯工事を施工する条件
付帯工事を請け負う際の対応について、以下の表にまとめました。
区分 | 請負代金が500万円未満 | 請負代金が500万円以上 |
---|---|---|
自社で施工する場合 | 制限なく施工可能 | その付帯工事の業種の技術者を自社で配置する必要がある |
他社に依頼する場合 | 制限なく依頼可能 | その付帯工事の業種の許可を持っている建設業者に下請けに出す必要がある |
※上記は一般的な例であり、実際の契約や工事内容によっては異なる場合があります。
このように、付帯工事の金額に応じて、施工方法が変わるため注意が必要です。
なぜ付帯工事のルールがあるのか?
このルールは、建設業者が許可を持っていない工事でも、本体工事との関連が深ければまとめて請け負えるようにすることで、発注者の利便性を高めるために設けられています。
ただし、無許可での大規模な工事を防ぐため、請負代金が一定額を超える場合は、その工事に見合った技術力や体制を確保する必要があります。
もし「付帯工事かな?」と迷うようなケースがあれば、許可行政庁に相談することをおすすめします。適切な手続きを踏むことで、安心して工事を進めることができます。